
こんばんは、HAMAです😄
TOPの写真は先日の大瀬崎海中世界で出会ったタツノオトシゴの仲間です📷
成魚になっても小さいそのボディに由来しピグミーの名が冠せられたタツの仲間、ピグミーシーホース🐉
この仲間の魚は世界に10種位いるのですが、その中で唯一日本でのみ見られるものだという事で、ダイバーの間ではずっとジャパニーズ・ピグミーシーホース、略して❝ジャパピグ❞という愛称で呼ばれてきた魚です🐟
この魚が2018年、ついに新種として認定され、正式な和名が付きました

その名が・・・

ハチジョウタツ🐟
全身に巡らされたブロック模様が特徴です✋
(因みにHippocampus japapiguという学名の中にジャパピグの名は残されました)
小さい上に岩肌に付いた海藻に絶妙に擬態するタツなので、捜索が困難で出現はレア

遭遇は滅茶苦茶LUCKYです

ところで・・・
ジャパピグとして発見されてから何年も経つにもかかわらず、この魚が新種として認定されたのは2018年、つい最近です✋
これを例にしても分かるように、新種が発見されてから認定に至るまでにはかなりの期間と労力を要します

①生態調査
②色彩や形態
③DNA解析
④器官構造の分析
これらについて研究したデータを論拠とした科学的な論文が発表されて初めて認定となるので、『新種』までの道程はとっても長いのです

因みに、新種という括りは基本的に一、二年単位ではなくもっと長いスパンで見ます

新種認定からしばらくの年月は、情報が届いた所と届いていない所で違ったものが交錯してしまいます✋
その上、出回っている図鑑にそれが載っていない為、不明種遭遇時に調べて出た答が現在では間違っているものなんて事が普通にあってしまいます✋
そう、理由は単純で情報がそう直ぐには入れ替わらないからなんですね

今回の大瀬崎ではこのハチジョウタツのみならず、認定からまだ10年内の『新種』に図らずも幾つも遭遇出来ました✨
という訳で・・・
ツアー報告に先んじて、今回の大瀬崎で遭遇したものをメインに、テーマ『新種』で脳内DIVEしてみたいと思います🌊
左が新種(今回遭遇の個体)🐟
右が比較対象とし易い旧来からの種(過去写真)🐟
という流れで紹介していきたいと思います✋
では、早速エントリー👎












2018年新種認定ニゲミズチンアナゴです🐟
死滅の時季になると見掛けるチンアナゴ(右)とはボディの黒白が真逆なのが興趣深いですね



2015年新種認定ミナベヒメジです🐟
ホウライヒメジ(右)やオキナヒメジとパッと見はよく似ていますが、尾柄部に黒白の斑が無く、上の縞は白ではなく黄色、ブラウン部分も赤みがかった綺麗な茶色で目立つので、この魚の存在を一度知ってしまえば、もう迷う事はありません✋


2018年新種認定ナノハナスズメダイ🐟
キホシスズメダイ(右)の深場型or浅場型として同種扱いされていたところから、別種提唱されるようになり、数年前にやっと名前が付きました



2010年新種認定ヒマワリスズメダイ🐟
ずっとコガネスズメダイ(右)と混同されていたイエローボディという点では共通ながら腹鰭が明瞭に白いスズメダイは、スズメダイ属の一種(SP)と呼ばれる期間を経て最終的にこの名に落ち着きました✋
ここまでが今回の大瀬崎で遭遇した『新種』達です

一度にこれだけの新種と遭遇する事もそうないのでLUCKYでした😆🎵
ここからはその他の代表的なものを幾つか見てみようかと思います✋
未だに旧種と混同されがちな、新種の魚の中でも出会う頻度の多い魚と言えばこの、


2013年新種認定のスジオテンジクダイです🐟
古い図鑑等では体側下部の縞でドット型とライン型という呼び名で分けられているだけのキンセンイシモチ(右)も、今では正式に別種認定されています✋
ボディから伸びた褐色の筋が尾鰭中央で後縁にまで突き抜けていればスジオ、尾鰭にまで突き抜ける筋が無ければキンセンです✋
因みにこっちの海での普通種はキンセンではなくスジオの方です

同じテンジクダイの仲間に、死滅回遊魚の定番魚でもある、


2015年新種認定のコンゴウテンジクダイがいます🐟
尾柄部にあるのが、黒い丸だとコンゴウテンジクダイ、黒い帯だとアオスジテンジクダイ(右)です✋
混同されていただけあって、本当そっくりですね

因みに、


ハナダイ好きにとって憧れの魚の一つでもあるイトヒキコハクハナダイも2010年新種認定の魚です🐟
パッと見がスジハナダイ(右)に似ている事から、ダイバーにスジチガイと呼ばれてはいましたが、種としてはスジハナダイではなくナガハナダイの属に含まれるものなので、混同されていたものが分類されての新種認定という他の奴らの流れと、コイツはちょっと異なります✋
最後に・・・
発見されてから新種認定で和名が付くまでの期間、その生物には❝◯◯◯属の一種(SP)❞という仮名が冠せられます✋
同種と思われていたバリエーションが異種だと提唱されてから論文発表がなされるまでの期間、その魚は❝◯◯◯(種名)近似種❞という呼ばれ方をします✋
今回も岬の先端で、そういう正式和名のまだない奴との遭遇がありました



クロヘリイトヒキベラ近似種の幼魚(左)です🐟
右はかつての大瀬崎ツアーで遭遇したその成魚🐟
胸鰭近辺によく目立つ黄色がありますが、本来のクロヘリイトヒキベラにはそれがありません✋
その点以外ではクロヘリイトヒキベラと極めて類似している為、この黄色が入るものを現状クロヘリイトヒキベラ近似種と呼んでいます🐟
研究が進み新種認定されればいずれ正式和名が付くという運びになる訳ですが・・・
コイツがクロヘリイトヒキベラのカラーバリエーションで終わるのか、新種認定されるのか、未来が楽しみですね

生物学上は認定イコール発見となるので形としては・・・
未来に発見される生物と、今回皆でフライング遭遇した


という事になる訳です

そう考えると、何だかとっても興趣深いですね✨
では、『新種』という切り口で潜ってみた本日の脳内DIVE🌊
この辺でイグジット👍
~HAMA~