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ウミウシカクレエビ (3)
こんにちは、HAMAです

潜っていたら視界にカットインしてきた人気者のウミウシ
“でもまぁ、いいや”とスルーしようと思ったら、何だかその背に違和感・・・
よく見ると、人気者のウミウシカクレエビが

人気者に寄生する人気者、という中々興趣深いシーンです
あぁ、油断してスルーしなくて良かった

という訳で・・・
このところ生態をテーマに潜っている脳内DIVE🌊
今回は寄生をテーマにエントリーしてみましょう



甲殻類や貝の仲間には決まったホストに寄生して終生過ごすものが多くいます
テズルモズルエビ (3) ツリフネキヌヅツミ (3)
テヅルモヅルにテヅルモヅルエビ
ヤギにツリフネキヌヅツミ
といった風に、これらは常に同じホストに棲み付いているので、その生物を見たければ先ずはそのホストを探すという流れで出会う事が出来ます

ですが、こういった生物は外敵から身を守る為、しばしば見事なまでにホストに擬態・擬相しているので、先ずはそれを見破る必要があります
アヤトリカクレエビ番 アヤトリカクレエビonウスアカイソギンチャク (2)
例えば、同じアヤトリカクレエビでもナシジイソギンチャクに付く場合とウスアカイソギンチャクに付く場合とでこんなに色模様が変わります
実に興趣深いですね

先程、この生物が見たければこのホストを探すという話をしました

ですが実際潜る時に、この生物が限定でどうしても見たいなんて事、そうないですよね
現実には、泳いでいて目に入ったそのホストを“覗いてみたらこんなのがいた”っていう流れになります

例えば、ダイビング後半の窒素コントロール中に目に入ったウミシダ
それを覗き込むと・・・
コマチガニ番 ウミシダヤドリエビ (10)
コマチガニやウミシダヤドリエビが結構な確率で付いています
窒素抜きのお供みたいな奴らですね
ですが運がいいと・・・
ウミシダカクレエビ (2) ラオメネス・コルヌトゥス (4)
レアなウミシダカクレエビや、まだ和名も付いていないような美しいエビ(ラオメネス・コルヌトゥス)が潜んでいる事もあります

ベニサンゴガニ (3) キサンゴカクレエビ (4)
ベニサンゴガニがよく入っているイボヤギには、ラッキーだと擬態の達人キサンゴカクレエビ
ムチカラマツエビ夜 (2) キミシグレカクレエビ (3)
ムチカラマツにはムチカラマツエビ(この写真はナイト限定の夜行色)が定番ですが、背中の尖ったキミシグレカクレエビが付いていたら超ラッキー
なんて具合ですね

このようにホストと寄生生物の相関関係を理解すると、泳いでいて目に入る珊瑚を初めとしたこれらのホスト達はどれもこれもビックリ箱みたいなもの
NDL回復の為に費やす時間も、ただの待ち時間ではなく楽しい遊び時間に変わりますね

では、ここからは例えばの一気見

ニクイロクダヤギを覗いた時には、
アシボソベニサンゴガニ (4) クダヤギクモエビ
アシボソベニサンゴガニはまだ見付け易いですが、クダヤギクモエビになると相当な擬態上手なので結構てこずります

ユビノウトサカは、
トサカガザミ (4) ウズラカクレモエビ (2)
トサカガザミ、ウズラカクレモエビ等、愛らしい甲殻類の宝庫です

シロアザミヤギの場合、
トガリモエビ (2) エボシカクレエビ (2)
トガリモエビでも付いてないかなぁって思いながら覗いてみたら、なんとビックリ
ハイパーレアなエボシカクレエビに出会えちゃった
なんて事もあり得ます

同じパターンでススキカラマツの場合、
ウミカラマツエビ (7) ゴルゴニアン・シュリンプ(トゼウマ・アルマートゥム) (2)
ウミカラマツエビがいるかと思いきや、ゴルゴニアン・シュリンプ登場
なんて事も

珊瑚以外がホストとなる生物も色々といます

イイジマフクロウニを覗くと、
ゼブラガニ抱卵 イイジマフクロウニヤドリニナ
ゼブラガニがよく付いていますが、運がいいとそれが抱卵個体だったりします
イイジマフクロウニヤドリニナなんていうその名の通りそれでしか見られない貝が付いている事もありますね

タコノマクラの仲間もホストになります
タコノマクラヤドリニナ トガリマルガザミ (2)
ヨツアナカシパンにはツヤツヤして綺麗なカシパンヤドリニナ
タコノマクラを捲ると、季節が合えばトガリマルガザミが付いていたりもします

ボテンと転がるアカオニナマコには、
ナマコマルガザミ (6) ヨコシマエビ幼
甲面のデザインがバリエーション豊富で人気のナマコマルガザミ
こちらも季節限定ですがリストバンドがお洒落で可愛いヨコシマエビがいる事も

等々・・・
このテーマに関しては例一つとっても、枚挙にいとまがありません

“これを覗くとアイツがいるかも”なんて期待を込めて覗くと、ただ漠然と覗くより遥かに遭遇率も上がりますし、何よりワクワクは倍増します

その生態がどんなものかを考えながら、一人勝手に水中でワクワク
いやぁ、楽しいですねぇ

ただこれらの楽しみ方は、NOディープのダイビング中に、もしくは20mを越えたディープからの窒素回復作業と並行して不足なく行う事が望まれます

コンスタントなバディコンタクト、一分間に最低四回のコンピューター確認による窒素管理をNOストレスで行う、等の基本が当たり前に出来るようになったら皆さんも是非、期待を込めて覗いてみて下さいね

じゃぁそれまでは、って

なぁ~んにも問題ありません
浮力取って、フィンキックして、海中世界と馴染んでいく
ただそれだけで海は十分十二分に楽しいですから

それではこの辺で、本日イグジット

~HAMA~
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